一年の半分が過ぎ、7月になりました。
私の母校である文化服装学院の博物館ではこのコロナ禍で命を落とされた偉大な大先輩、高田賢三さんの回顧展を6月末まで開催しておりました。
最終日に何とか間に合い、見る事が叶いました。
文化服装学院の学生の時にチャレンジし続けた装苑賞受賞作から初期の「Jungle jap」の作品、晩年の活動まで、文化服飾博物館ならではの貴重な作品が揃っておりました。
KENZOといえども初期の作品等は技術的には発展途上
の様な物も感じさせ、安心し、微笑ましく思える部分もございました。
ですが、長いご活躍のいずれの時期もずっと変わらず一貫して感じさせられましたのは、面白い事‼️新しい事‼️へのチャレンジ精神と冒険心に溢れてらっしゃる事した。
ファッションはシンプルにひたすら唯々楽しく、ワクワクできる物でもあり、夢を見、又与える事もできる物でもあったと思い出させてくれる展示でもございました。
洋服を創る事に携わり25年。
日々お作りさせて頂く中で、お仕立て下さる方を美しく、"今"のその方に相応しいデザインを考え抜き、創造を絞り出し、着心地よく、動き易さを追及し、数ミリに拘り、材料に拘り、縫い方の工夫を試行錯誤し、それらの全体の調和と相性を考え、正解という物が無い中、今、今日の私に出来ます力の限りで少しでも良い服を作りたいと毎日を積み重ねて参りました。
99個目のボタン付けよりも100個目のボタン付けの方が上手につけられる様になりたい‼️と。
それはそれで大切な事だとは思いますが、それを続ける中で技巧やテクニックにばかり気が向きがちに。
幼い頃、単純にファッションが好きで、ドキドキ、ワクワクし、少し目立つ格好をして人に注目され、誉められる事を楽しいと感じていた感覚を展示を通し、思い出しておりました。
生前、高田賢三さんが講演会で次世代のデザイナーへのメッセージを聞かれ、発せられたお言葉、「沢山、いっぱい冒険をして欲しい‼️インターナショナルに‼️」と仰っておられたそのお言葉通りに自らの人生も全うし、冒険とチャレンジを続けられた素敵な人生を偲びながら、中々、希望を持って先を考え辛い今という時代に、もし、賢三さんがご健在であったなら、ファッションにどんな夢を見、どんなクリエーションをし、私達にどんな夢をお見せ下さっただろう⁉️
そんな事を思っておりました。
サロンオーナー
庄司博美
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