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  • 執筆者の写真asdg

<2021年2月>



早いもので2月も末。

緊急事態宣言の中、気が付きましたら春にございます。

先日、お客様より物づくりに携わる人間として考えさせられるお仕事のご依頼を賜りましたのでそのお話を書かせて頂きたいと存じます。


まだ、お求めになられて3年程しかならないダウンコートのポケットが破れてしまい、お求めになられましたブランドに修理のご相談をなさいましたところ、生地の取り替えという修理方法でお見積も結構な額でのご提案だったとの事。たった3回冬を迎えただけで諦めなければならないのかと悔しい思いの中、何とかなりませんかと、弊サロンにご相談、お持ち下さいました。


拝見しますと、左は生地そのものが劣化し、完全に破れてしまっている状態で、反対側のポケットもやはり生地が薄くなり、いつ破れてもおかしくない状態でございました。破れた場所、状態、お召しになられた際のサイズ感を拝見しました所、ポケットを分解し、ダウン部分の表地と袋部分を分解し、表地のみ補強し引き込み、ポケットを今一度作り直せば何事も無かったように直せそうでございましたので反対側の補強も含め、お引き受けさせて頂きました。

無事に美しく直り、お客様にも「又着られるようになって嬉しいです」とお喜び頂けました。


ほどきました際、ポケットの上げ下げという生地に負担がかかります所でございますのに、特に補強もされておらず少しでも長く着用して頂ける様な工夫がされておりませんで、大変寂しい気持ちになりました。又、生地その物もファスナーの上げ下げという日常当たり前の動作負荷で3年持たずに破れてしまう。


洋服は見えない所の作りが実はとても大切でそこに違いが出るのですが、糸、染め、織り、縫製方法。ある程度名前の通った既製品であっても見えない所が随分安易に簡略に作られてしまっている物も多いのかもしれないと感じ、物づくりに携わる者として寂しさを感じますと共に、お客様の期待を裏切らない物づくりをしなければ‼️と気を引き締め直しました。


昨今、サステナブル、SDGs、持続可能な社会をという言葉が良く聞こえて参ります。ファッション業界では過剰生産、在庫の破棄、動物保護からの毛皮問題、オーガニック素材の積極的使用等が注目されておりますが、末永く愛され、長きの着用に耐えられる物を、工夫し、手間と時間を惜しまず丁寧に、考え抜いて作る。それも大切な事ではないかと思います。

更にサイズを直しながら手をいれながらお召し頂く。小さなオーダーの仕立屋だからこそ出来ます事を地球の為に、希望ある未来の為に微力でも続けていけましたらと存じますm(_ _)m


サロンオーナー

庄司博美

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